最優秀賞(1名)
市川 孝子(イチカワ タカコ)さん
悪性関節リウマチ 長野県在住 82歳
作品タイトル:「紙飛行機の夢、もっと遠くへ」(絵画)
受賞者コメント
今回の受賞、ありがとうございました。足がだるく膝が大木の様になり、一番最初に受診した病院では“金魚鉢の水くらい水抜きしたよ。余生はご主人の傍らで心安らかに過ごされるように”と言われて 1時間かかる電車に乗りどのようにして帰宅したのか今でも思い出せません。その後、近くの病院で有能な医者に巡り合い、きめ細かな診察と医学の進歩もあり 25年以上の年月が経ちました。が、この病気の姿はまるで両手を広げて襲い掛かる魔物の様で、足も手も関節が腫れ思うように動かず神経障害も出始め、悪性関節リウマチと告げられ、心臓も弱まり複数のステントも入り、間質性肺炎となりすぐ息切れして歩けず、その上利き手の腱は4本も切れ、足の指は小枝のように曲がりくねり手術し、あっちこっちの関節は全て私へ逆らい続けております。そんな状況の中で絶望していた時、 幼かった息子の言葉 “紙飛行機でも飛ぼうとするよ”の言葉を支えに、 飛べずとも前に進もうと。私も家の中では太陽になろうと覚悟を決めたものでした。こうして外見のみは元気な人と思われる私に、長らく付き合ってくださっているリウマチ科主治医にはもちろん 循環器の先生も整形外科、形成外科の先生たちも心注いでくださり、驚くような医学の進歩にも目を見張り 一番辛かった日々、うまく作れなかったお弁当にも文句も言わなかった子供たちや頼まなくても手伝ってくれる夫にも深く感謝する日々です。簡単に 【人生は一度しかないから】 という言葉をよく見聞きしますが、 アッサリロにするほど軽々しいものではありません。ギリギリの瀬戸際で、ハッ!と思い知らされる中身を持つ重いセリフであり、この境遇に置かれた者のみが深く感じる言葉です。この一度しかないのだなと悟ったときに私の心は 体の不調と反比例して遠く広い世界に 宇宙に軽やかに、しなやかに飛び立つことを覚えました。 ここで朽ち果てるのは人生上大きな損失と考えます。鉛の苦悩を背負って沈むのは嫌です。加齢も加わり 骨盤も背骨もびりびり痛い日々ですが 自分はもっとなにか出来るともっと挑戦することがあると言い聞かせ日々過ごしております。退屈する日はありません。このような病人に元気を下さる催しがもっと身近にあれば(今回はかかりつけ医のリウマチ科の先生に勧められました) 病める人たちの励みにもなると思います。 おかげさまで大きな喜びと励ましをいただきました。
審査員 講評(五十音順):
NPO法人 東京乾癬の会 P-PAT 理事 橋本 広明 さん
この作品を一目見て、病から解放されたいという心の叫びが聞えてきたように感じました。紙飛行機に乗って、痛みも苦しみもない世界に飛んでいきたい。また、痛みも苦しみもない世界って、どのような世界なのだろうか。未知の世界を想像し、これからも精一杯生きていこうというメッセージが込められている作品だと思いました。私が患っている病は、作者とは異なり「尋常性乾癬」ですが、18歳の時に罹患し、既に46年になります。この間、どうしてこのような一生涯付き合わなければいけない病に冒されてしまったのか悩んだ時期もありました。また、49歳の時には、作者と同じ「間質性肺炎」に罹患し、一時生死の境をさ迷ったこともあり、作者の気持ちも痛いように理解できます。エピソードにはお子様が幼かった頃に発病した旨も記載されていました。この作品には、お子様にもたくさんの体験をさせたかったなという作者の想いも込められているのではないでしょうか。
公益社団法人 日本リウマチ友の会 会長 門永 登志栄 さん
静止画ですが、空を飛んでいるような描画に引き込まれました。描かれた方が同病の関節リウマチの方ということで、足が痛くて動けない時、空を見上げて「飛んで空からの景色が見たい」と思う気持ちが描かれていて、伝わってきました。息子さんに「紙飛行機も飛ぼうとするよ」と言われ、前向きに生きようと動き出される気持ちもこの紙飛行機の勢いに描かれていると思います。「私の身体は紙飛行機だが、紙飛行機の心はいつも未知の世界を飛んでいる。もっと遠くへ行きたい。」「空を飛べたら」という思いがこの絵に込められていて、勇気をいただきました。
優秀賞(1名)
古賀 綾乃(コガ アヤノ)さん
潰瘍性大腸炎 神奈川県在住 6歳
作品タイトル:「おなかのなかのうみ」(絵画)
受賞者コメント
このえは「たくさんお水をのんだら、おなかのかじがきえたらいいのになー」とかんがえてかきました。えの中のわたしはお水をたくさんのんだので、おなかがうみになって、たべたものはさかなになっておよいでいます。
しょうらいはキャラクターをかんがえるしごとをしたいので、オリジナルのイチゴのさかなとかをかんがえました。
この「え」でゆうしゅうしょうがとれてうれしいです。
かいようせいだいちょうえんはおなかがいたくなることもあってつらいけど、これからもがんばります!
先生、アッヴィ アートプロジェクトをおしえてくれてありがとうございます。あと、みんながよろこんでくれてうれしかったです。(本人)
この度は、素晴らしい賞を頂きありがとうございます。絵を描いたり工作することが好きで、食べることも大好きで、注射や点滴は大嫌いだから違う治療法があればいいのに…という綾乃らしさが詰まった作品を評価して頂けたことを、とても嬉しく思います。4歳で潰瘍性大腸炎を発症してから1年半ほどは病状が安定せず、腹痛と頻回の下痢で外出もままならないような日々でしたが、現在は合う薬が見つかりほとんど病気を意識することなく生活できています。病院でも学校でも多くの方々に支えていただいているおかげです。本当にありがとうございます。本人も本当によくがんばりました!今回の受賞を励みに、今後もやりたいことにはどんどん挑戦していってほしいと思います。(母)
審査員 講評(五十音順):
NPO法人IBDネットワーク 運営委員 日東 英成 さん
明るく楽しそうな笑顔と、おなかの大きな水槽が印象的な作品です。水槽には、よく見ると食べ物が楽しそうに泳いでいます。一見すると不思議なこの作品からは、作者の幸せが伝わってきます。食べたいものを食べることは人生の中で大きな幸せのひとつです。この作品にはユーモラスに病気に打ち克ちたいという強い思いと、未来への豊かな想像力が感じられます。これからの長い人生で向き合っていく病気ですが、前向きな思いを持つことこそ、疾患を持つ方々にとって非常に大切であると感じさせてくれるすばらしい作品です。この作品は難病を抱える人たちへの強いメッセージ性があると感じました。
サルコイドーシス友の会 会長 佐藤 公昭 さん
食べるものを制限されることもある潰瘍性大腸炎のつらい病気と幼い時から闘ってこられました。自分のおなかの中の火事(病気)を消すために水で満たして、好きな食べ物を食べることが出来るようになりたいという祈りが込められています。描かれている明るい表情の顔に、病気と闘う強い気持ちが込められた素晴らしい作品です。作品の背景にある作者の気持ちに心を強く動かされました。このアートプロジェクト PERSPECTIVESの受賞が、少しでも闘病生活の支えになることが出来ればと思います。
審査員賞(3名)
J.A さん
潰瘍性大腸炎 神奈川県在住 17歳
作品タイトル:「ぼくだけの光と影」(ワイヤーアート)
受賞者コメント
私は昨年の夏高校2年生にして難病、潰瘍性大腸炎と宣告された。しかし、患ってから約1年、私自身は難病になって良かったと思う。そう思いたい。この表現は私より苦しむ同病、難病と闘っている方々に反感を買ってしまうだろう。だが私は病気のおかげでこれまでのサビのないピカピカな体、そして13年続けてきたサッカーも何もかもが当たり前ではないと気づけた。そして「なって良かった」と思わなければやっぱり過去に「戻りたい」と思ってしまうし、今の自分を好きになれない。今のボロボロなサビついた私になんとかかかるビー玉のように小さい光はサッカーだ。私は幸運にも体調が良ければサッカーができる。人生最後になるかもしれない高校でのラスト1年、チームメイトと同じ気持ちで同じ目標に向けてボールを追いかける。今なんとかかかっている小さな光を大きく、強く、頑丈にし、今の自分を明るく照らせるようになりたい。いやなる。同病や難病で悩む患者さんが少しでも前向きに、自分のことを肯定できるようになって頂ければと思います。この度は、輝かしい賞を頂戴し、誠に光栄に思います。ありがとうございました。
審査員 講評:社会福祉法人聖母会 聖母病院 皮膚科 部長 小林 里実 先生
ワイヤーで輪郭だけ形作られたヒト、しかし、それは大きく両手を拡げ、大地を踏みしめて堂々と立っている。ピカピカだったはずの自分が一瞬で吹き飛んだかのような衝撃から、冷静さ、人生への客観的視点、仲間とともに歩みを止めない希望に気づいた逞しさが力強く表現されている。左胸に光る澄んだ心の中心は、震えながらも大きく強く生き抜こうとする意志を伝えている。難病を宣告された人の心情をよく表現しているとともに、それを享受し立ち向かおうと、勇気を奮い立たせている様子が伝わり、同じ境遇にある人々に共感と希望を与える作品だと思います。何も諦めなくてよい、治療法が進んだ今、やりたいことを何でも挑戦していける時代です。その時代を医師とともに創る人になってください。
竹原 優李 (タケハラ ユウリ)さん
潰瘍性大腸炎 宮崎県在住 23歳
作品タイトル:「希望のかたち」(絵画)
受賞者コメント
この度は、第5回アッヴィ アートプロジェクト「PERSPECTIVES」の審査員賞に選んでいただきありがとうございます。
私は学生の頃、コロナワクチン接種後にからだの不調があらわれて、「指定難病 潰瘍性大腸炎」と診断されました。 今まで何事にも完璧を目指して頑張ってきた私にとって、難病を発症したことにより、これまで培ってきた努力が一気に無駄になったようで、無気力な状態が続いておりました。心も身体も一気に弱くなっていく自分が嫌になり、否定的な気持ちになる毎日でした。そして、家族や主治医、学校の先生、友だちなどまわりの方々の支えもあり、諦めかけていた幼い頃から憧れていた職業として就職はできたものの、長期間の入退院を繰り返し、同世代と同じような生活ができないことに憤りを感じていました。そんなときに医療機関で、アッヴィ アートプロジェクトの応募用紙を見つけ、退院後の自宅療養中に夢中になれるものを見つけたいと思い、作品づくりを行いました。完治は難しいとされている難病であり、見た目にはわかりづらい内部障がい者は社会から理解されない場面にたくさん出会い、生きづらさを感じてしまうかもしれません。そして、難病と診断されたことで、一瞬にして普段の生活ができなくなってさまざまなものが制限され、健康な同世代の方々と同じような生活をすることもなかなか難しいです。私の場合は、食べられるものが制限されるため、自分の好きなものをお腹いっぱい食べることができません。この先も、悔しい思い、辛い思い、痛い思いをいっぱいすると思います。「また今度」は、いつできなくなるかわからないのだと身をもって知りました。だからこそ私は、普段から後悔のないように、できないことに目を向けるのではなく、今できることを大切にしてさまざまなことに挑戦していきたいです。そして、この作品のように、明るい未来に希望をもって首を長くして待ち、しっかりと自分の体調と向き合いながら今まで以上に人生を楽しんでいきたいです。改めて、審査員賞をいただけたこと、とても嬉しく思います。本当にありがとうございました。
審査員 講評:慶應義塾大学 名誉教授 日比 紀文 先生
明るく爽やかな作品で、チラシを使ってコツコツと完成された努力は大変だったと推察します。病気を乗り越えて、前に向かって明るく進んで行こうとするお気持ちがよく表現されている、素晴らしい作品と感じます。学生時代に病気と診断された時の驚きとショックは大変なことだったでしょう。就職後も入退院を繰り返し、辛い生活を送られたようですが、周囲の方々への感謝を忘れずに前に進もうとするお気持ちが絵によく表れています。完治のない病気と言われていますが、最近の進歩した治療法により、患者さんも普通の日常生活を送ることができるようになってきました。これからも病気を乗り越えて、希望を持って明るく生きていける将来になると確信しています。
岩本 紗和(イワモト サワ)さん
若年性特発性関節炎(小児リウマチ)、非感染性ぶどう膜炎、痛覚変調性疼痛 茨城県在住 12歳
作品タイトル:「扉をあけて ~羽とともに~」(工芸)
受賞者コメント
この度は私の作品を選んでいただきありがとうございます。私は赤ちゃんのときから病気で手も足も全部が痛いのが当たり前でした。だけど、私もみんなと同じように歩いたり、走ったり、友達と遊んだりしたいです。そのためには薬やリハビリをがんばってやらないといけません。この作品は周りのみんなと同じように遊べるようになった自分自身がトビラの向こう側で歩いたり、走ったりして遊べるようになっています。今までガマンしていた薬もリハビリもやらなくてよくなり、本当にみんなと同じようなことができています。そんな未来が待っていたらいいなと思いながら、この作品を作りました。これからも全力でがんばっていきたいです。
審査員 講評:日本AS友の会 会長 塩野 敬彦 さん
箱を開けると広がるカラフルで可愛い世界。何度も、扉を開けたくなります。ちぎり絵で丁寧に描かれた虹と妖精がとても素敵です。何枚か配された羽毛に、気持ちが浮かび上がるような感覚もおぼえます。この作品を作ったり見たりしている間は、少しでも痛みが和らぎますように。何年間も続く痛みと共に生き、今でも時々、痛みに襲われる恐怖を知る者として、扉を開ければ、別の世界が広がっているということを思い出させてくれる作品に出会えて、嬉しかったです。皆さんが、こんな扉を心の中に持てますように!
佳作(5名)
小林 侑里香(コバヤシ ユリカ)さん
アトピー性皮膚炎 東京都在住 18歳
作品タイトル:「『あなた』という私と『自分』という私との狭間が連れていく場所、私はここで生きる」(絵画)
受賞者コメント
私にはこの病気の主治医はいませんでした。薬を処方して下さった先生はいらっしゃいましたが、病院も薬も嫌いで、通うことはせず、薬に頼らないで治そうとしました。精神的なものから向き合おうと思ったんです。そしてたどり着いたのがアートセラピーでした。私自身の無意識へアクセスする行為は、人から見たら意味がないように見えるかもしれませんが、私にとっては人生においてとても重要なことで、生命線です。今は絵のおかげでだいぶ症状が良くなっています。なので、このような形で私の絵を選んでいただいて本当に感謝しています。同じように苦しんでいる方々、私たち人間の中には否定すべきじゃない「個人」がいます。その人を大事にして思うまま生きてほしいと思います。
審査員 講評:認定 NPO 法人 日本アレルギー友の会 理事長 武川 篤之 さん
先ず目を引くのは、色彩の巧みさと、生命が誕生したモニュメントに驚かされる。アトピー性皮膚炎と向き合う中で感じる、「あなた」の中にいる「あなた」と「自分」との間で揺れ動く心の葛藤、凄く共感できます。「あなたという私」は、アトピー性皮膚炎という疾患を持つ自分、症状に苦しみ、治療やケアに翻弄され、周りの視線や理解に悩む自分。痒みや炎症といった身体的な苦痛だけでなく、見た目の変化による自己肯定感の変化による自己肯定感の低下、社会生活での制限、将来への不安など、病気がもたらす様々な影響を受け止める、それを超えた自分。この油絵のにじみとぼかしによる遠近感で二面性が見事に表現されている。次々と変わっていく環境・感情と訴求力の巧みさに、思わず引きずり込まれます。そこにはアトピー性皮膚炎に長年、人知れず悩み・苦しみ、向き合って来た、これまでの自分史の凝集と、アレルギーがあっても自分らしく生き、輝かしい未来を実現できる。を見事に訴えています。同病で悩む多くの若い患者さんへの力強いメッセージとなっています。
久保田 結(クボタ ユイ)さん
尋常性乾癬 千葉県在住 17歳
作品タイトル:「ふたつの心」(絵画)
受賞者コメント
この度は、私の作品を選んでいただき本当にありがとうございます。この賞をいただけてとても嬉しく、何よりも自信につながりました。私は水泳を続けており、中学3年生の頃、爪がボロボロに変形してしまいました。毎日の練習でプールに入るたびにしみてしまい、大会でも泳ぎ切るのが精一杯でした。この作品には、痛みと闘いながら思うように練習できず、希望を持てなかったときの気持ちと、それでも結果を出せた嬉しさの両方を表現しました。今は体調も良くなり、症状も落ち着いています。この経験を通して、病気と向き合いながら、自分自身を大切にすることの大切さに気づくことができました。最後になりますが、主治医の先生方をはじめ、学校の先生方、そして応援してくださる皆さまに心より感謝申し上げます。
審査員 講評:ベーチェット病友の会 副会長、香川県支部長 多田 加代子 さん
大胆かつ沢山の優しい色づかいが素晴らしい、インパクトがあり一度見ると忘れられない作品です。作品の半分が赤色で心臓が力強く動いているように感じます。苦しい日々の中でも感謝の気持ちを忘れずに前向きな姿勢がよく分かる作品になっています。競泳の練習中の手の指の痛みは精神的にも辛く悔しかったことと思います。でも病気になって得たこともあったと思います。まだまだ若いのでこれからの人生で沢山の経験をされることでしょう。この経験を心の財産にして歩んで欲しいです。そして絵を描くことで周りの人を幸せな気持ちにしてあげてください。
吉田 美智(ヨシダ ミチ)さん
アトピー性皮膚炎 東京都在住 22歳
作品タイトル:「ループ」(絵画)
受賞者コメント
この度は私の作品をお選びいただきありがとうございます。私の作品を通してアトピーへの理解や私のアトピーへの思いを多くの人に知ってもらえる機会となると思います。一言にアトピーと言っても症状の重症度は人それぞれですが、みな同じような悩みがあると思います。痒みで集中ができない、アトピー特有の肌の傷やジュクジュクした肌などで自信が持てないなど、この悩みは完全に治るまでずっと続いていくものだと思います。最近は医療技術も進歩し、アトピー治療法もたくさん出てきています。しかし医療の力を借りてもどうしても治りきらないのも事実だと思います。自分なりにアトピーの治療に取り組む必要があると考えており、今後も試行錯誤しながらアトピーと向き合って行きます。
審査員 講評:獨協医科大学 小児科学 特任教授/アレルギーセンター長 吉原 重美 先生
はじめて、この作品を見たときに、アトピー性皮膚炎(AD)がおちついている皮膚の綺麗な状態とADの痒み、痛みや皮膚症状の増悪であまりの辛さにライオンが叫んでいる状態を2つの顔で表現されており、とてもインパクトがありました。また、逆さの女性は目をつぶり悲しげな顔にも見えます。これは、女性が心のどこかで増悪を繰り返すことを心配していることを感じさせます。「ループ」というタイトルのとおり、本絵画はADの特徴である寛解、増悪を繰り返す苦悩と戦っている姿を表現しているのでしょう。作者は、いつかループをたちきり、この女性に笑顔が戻ることを強く願っているように思います。また、完全にADが治癒する明るい未来を期待した前向きなメッセージであり、疾患に立ち向かう強い決意がひしひしと伝わってくる、表現が個性的で素敵な作品です。
高崎 信子(タカサキ ノブコ)さん
掌蹠膿疱症 東京都在住 60歳
作品タイトル:「孤独なイエロー」(絵画)
受賞者コメント
この度は、私が制作した「孤独なイエロー」を審査していただき、賞までいただけて、この上ない悦びです。再発を繰り返しており、「一生治らないのかも‥」と、弱気になって家に閉じ籠る日々が続いていた時、受賞の知らせを受け、再び物事に対する意識や興味を取り戻せた気がします。銅版画の制作も復活しています。そして、疾患も以前よりだいぶ良くなって来ました。二重三重の悦びです。この素晴らしいプロジェクトのタイトルである「PERSPECTIVES」(パースペクティブズ)日本語に訳すと【展望】に心から感謝申し上げます。今後もアートを通じて希望と発想と制作意欲を保ちつつ、免疫疾患を持つ皆様方と共に乗り越えて行きたいです。この受賞により、まさに大きな展望を抱けた事は間違いありません。その立役者である「アッヴィ アートプロジェクト」が更に広く認知され、多くの患者さんの励みになる事を願います。ご尽力くださいました、関係各位の皆様方、誠に有難う御座いました。
審査員 講評:慶應義塾大学医学部 リウマチ・膠原病内科 教授 金子 祐子 先生
様々な思いが伝わってくる作品だと思います。絶壁に起立する白い塔と凛とした赤いチューリップが印象的で、その間を転がるビリヤードボールはぐんぐん大きく迫ってくるようです。ご病気が再発した中で、版画でこれほど鮮やかに描かれるのはご苦労もあったと思いますが、表現の後ろには前向きなお姿が見えます。これからも病気はよくなったり悪くなったりかもしれませんが、是非この凛としたチューリップのように、素敵な人生を送って頂きたいと思います。
大槻 陽翠(オオツキ ヒスイ)さん
若年性特発性関節炎(小児リウマチ) 三重県在住 7歳
作品タイトル:「わたしはくらげになりたい」(粘土)
受賞者コメント
この度は素敵な賞をいただき、ありがとうございました。3歳2ヵ月頃のある日、突然足が痛くて歩けないと言い、若年性特発性関節炎と診断を受けました。
しょうをもらえてうれしかったです。クラゲを作るために水ぞくかんに行きました。楽しかったです。えのぐをぬるときがとっても楽しかったです。手がいたくてえのぐがだせなかったのでお兄ちゃんがだしてくれました。はみがきこをだすのも、けしごむをつかうのも、かいだんをのぼるときもいたいです。血のけんさもいやだし、くすりをいつものむのがいやです。でもしょうがないです。休みじかんにおにごっこをしたいです。体いくもしたいです。うんどう会もでたいです。できないことがいっぱいだけど、いきているだけでしあわせです。できることもいっぱいあります。クラゲになったらいたくないから、ぼうけんやおにごっこもしたいです。みんなのいたいのがなおりますように。
審査員 講評:若年性特発性関節炎(JIA)親の会 あすなろ会 事務局担当理事 牧 美幸 さん
「わたしはくらげになりたい」は、作品がたくさんある中で立体的な自由発想の作品でした。見た目にも今にも飛び出してゆらゆらと自由に動き回りそうです。色もカラフル素敵です。作製しているときの楽しげな姿が目に浮かぶそんな作品です。また、動けないでも動きたい気持ちの表現が見事です。作品のクラゲも自由に動き回り楽しそうに見えます。
自由に体を動かしていた日常から、病気になって動けない・痛い・もどかしい・イライラする・うらやましい。でもね、良い治療法が出ているので少しでも痛みから解放されるように!!大丈夫だよ。先生が良い治療法を見つけてくれるよ。
外部サイトへ移動します。宜しいでしょうか。