未知への探求: 自己免疫疾患を探求する

治療困難な疾患にフォーカスした、イェール大学との共同研究

Scientist Working in The Laboratory
2020年1月9日に米国本社のホームページに掲載されたオリジナルテキストの日本語翻訳版です。

希少で複雑な疾患を理解するための探求

「なぜ」という問い。

それは簡単な質問に思えるかもしれませんが、答えはしばしば、入り組んでいます。世界中でみられる複雑で、ときには希少な疾患をよりよく理解しようと挑戦する科学者にとってはなおさらです。

「なぜ」 と「どのように」 という問いは、アッヴィと、免疫学研究のリーダーであるイェール大学との数年にわたる共同研究の核となるものでした。

この研究主導型のパートナーシップは、自己免疫疾患および炎症性疾患について、特に分子、細胞および遺伝子レベルで理解を深めることを目指したものです。2014年に共同研究を開始して以降、治療困難な消化器疾患、リウマチ、皮膚疾患に焦点を合わせてきました。

現在、アッヴィとイェール大学の科学者たちは、より優れた、よりターゲットを絞った治療法を開発することを目標に、これらの疾患のメカニズムを詳しく調べる研究プロジェクトに没頭しています。

共通の目的に向かって、それぞれの強みを生かす

イェール大学の免疫学特別教授であり共同研究運営委員会の創設メンバーでもあるリチャード・A・フラヴェル博士は、パートナーシップをうまく組織できたおかげで、双方は協力しながらそれぞれの強みに集中できたと言います。

フラヴェル博士は言います。「このパートナーシップにおける重要な原則の一つが、最も成功するプロジェクトとは、双方が責務を果たし、ユニークな能力を発揮してプロジェクトに貢献するものだということでした」 

同委員会の委員である、マーク・レヴェスク博士によると、イェール側のメンバーは研究をけん引し、標的分子の同定といったタスクに取り組みましたが、化合物のハイスループットスクリーニングなどの専門的なタスクが必要なときにはアッヴィの科学者に依頼しました。

研究成果を治療へにつなげる道筋や、プロジェクトを評価するカギとなる患者さんに影響をもたらす可能性については、アッヴィの経験が生かされました、とアッヴィの創薬研究部門シニアディレクターであるレヴェスク博士は説明します。

患者さんに大きな影響をもたらす可能性

リサ・オルソン氏(創薬研究部門バイスプレジデント、アッヴィバイオリサーチセンター長でありアッヴィ−イェール共同研究の運営委員会創設メンバー)は、賢明なリスクを取ることは科学の進歩には不可欠な要素であると言います。

オルソン氏は言います。「誰もが直面し得る、最も困難な病気の一つであるこれらの慢性疾患を患う人たちは、高いリスクを抱えています。献身的に研究を行うことによってのみ、私たちは理解を深め、成果を上げることができるのです」

このパートナーシップでは、全身性エリテマトーデス、クローン病、関節リウマチ、強皮症(皮膚や結合組織に関わる希少疾患)などの疾患について、示唆が得られそうないくつかのプロジェクトが優先的に実施されました。


このようなプロジェクトのひとつが、イェール大学医学部の免疫学分野准教授であるエリック・メフレ博士が率いるものです。彼は20年近くを費やして、免疫システムの一部である白血球の一種で、さまざまな自己免疫疾患で重要な役割を果たしているB細胞のメカニズムの研究に取り組んできました。

他の多くの研究プロジェクト同様、メフレ博士は直感と大きな期待をもって研究にとりかかり、B細胞と遺伝子変異が身体の中でどのようなインパクトをもたらすかを深く調べ始めました。彼は、研究を続けるための追加の研究期間と資金を確保するために、初期の限定的なデータをアッヴィ−イェール運営委員会に持って行ったことを覚えています。

「研究計画書を提出した時にはあまりデータは持っていませんでしたが、多くの可能性があるプロジェクトでした。運営委員は 研究を続けて結果をみましょうと言ってくれました」

 

「未知に挑むスリル」

初期の創薬研究プロジェクトにはリスクがつきものですが、と前置きして、フラヴェル博士は、アッヴィとイェールは、未知の領域はすばらしい可能性を秘めていることを認識していると言います。彼は現在、進行中の二つのプロジェクトを主導しています。一つはいくつかの自己免疫疾患を発症させる機序を検討するものであり、もう一つは強皮症の原因について仮説を立て、標的にする方法を探るものです。

フラヴェル博士は言います。「新しい領域を活性化できるような、リスクの高いプロジェクトを求めるのは理にかなっています。私たちの目的は、そこから、科学および医療の観点から価値ある成果をもたらすことです」

科学を進歩させるという希望は、日々、研究を行う科学者のモチベーションとなっています。

「それは未知に挑むスリルです」と、メフレ博士は言います。「つまり、仮説が正しかったことを証明し、次のステップへと進むことなのです」