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2019年 アッヴィ 自己免疫疾患 アートプロジェクト 受賞作品詳細 ・受賞者コメント

■最優秀賞(1名)

●受賞コメント

 私は小学校4年生から乾癬になり、見た目の症状から中学・高校といじめられました。その頃から、私は人間ではなく、妖怪として隅っこで生きることにしました。しかし、何年か前に新しい治療に巡り合え、だいぶ症状が緩和されたことから、突然人間になってしまいました。人として生きることにより嬉しいこともたくさんありますが、今まで隅っこで生きていたので、逃れられない責任や戸惑い、希望など今までになかったことで、「どうしたらよいのだろう」と思っていた時に、このプロジェクトのお誘いをいただき、自分の「想い」を作品に収めることができました。今は、この機会をいただけてありがたく思っております。

●受賞コメント

 私は、10年前に潰瘍性大腸炎を発症しました。最初、初めて聞いた名前で、どんな病気なのかと先生にお伺いしたところ、「大腸に潰瘍ができている、難病指定されている病気」ということを聞きました。聞いた時もはっきりわからなく、「まぁ、お薬を飲めばよくなるし、治るのかな」と思っていましたが、なかなか完治が難しい病気ということで、「とんでもない病気になってしまったな」と思いました。今でも、なかなか思うようには食事ができず、作品は、そのような状況への想いを込めて作りました。高級食材ではなく、B級グルメばかりを表現した作品です。自分は常日頃、「食事がなかなかうまくできない、食べたいけど食べたらおなかが痛くなる、痛くなってしまったら数週間、数カ月、良くなるのに時間がかかってしまう」。誰にとっても「食」というのは毎日のことなので、とても辛くて、悲しい病気になってしまったなと思います。しかし、自分はこれから先もこの病気とうまく付き合っていかなければならないことを受け止めて、なるべく寛解の時期を続けられるよう、先生と一緒にコントロールしていきたいと思います。今後も潰瘍性大腸炎と上手にお付き合いしていきたいと考えています。

●受賞コメント・岩本紗和さん、お母さん・ゆう子さん

この度は素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。前回のアートプロジェクトでは佳作をいただき、2度目の受賞はないと思いながらも、成長の記録を残すために応募しました。そのため、今回の受賞には大変驚き、前回を超える賞をいただけたことを大変光栄に思います。

紗和は、JIA(若年性特発性関節炎)に加えて、3歳から両目にぶどう膜炎を患い、現在は新しい治療により運動制限はありながらも、なんとか生活しております。痛みや辛さで泣くことはありませんが、お友達と同じようにできないことへの悔しさや我慢で泣くことがあります。そんな中、「足の痛みから解放され、みんなと同じように歩けるように、走れるように、ジャンプできるように」との願いを込めて作品を作ることを思いつきました。

今もたくさん我慢しなければいけないことがあり、泣くこともたくさんありますが、それ以上に助けて下さる方や、優しく接してくれるお友達がたくさんいるおかげで、紗和は明るく笑顔で毎日を過ごせています。いつもお世話になっている皆様もきっと今回の受賞を喜んでくれることと思います。今後も感謝の気持ちを忘れずに、完治に向けて家族一丸となって頑張ります。

●受賞コメント

 受賞の通知が届いたときは、驚きと喜びで舞い上がらんばかりでした。私の作品を選んでくださった審査委員の先生方にお礼を申し上げます。膠原病の「膠」という漢字と私が描いている日本画の画材である膠(にかわ)は同じ漢字です。それから、私の疾患の症状には、ほっぺたにできる蝶型紅斑というのがあり、私の作品の中にはよく蝶々が登場します。今は、「こんな偶然があるのだなぁ」と思っています。今回の受賞を励みに、これからも日本画を続けていきたいと思います。

●受賞コメント

 毎日日記をつける人がいるように、私は子供の頃から絵を描いてきました。働きながら自由な時間を探して、空想の中でこれまで描き続けてきました。選んだ道を歩み、過ぎ去った日のことを振り返ったとき、このアートプロジェクトに参加させていただけた、そして皆様にお会いできたこと、そして大切な家族への感謝の気持ちでいっぱいになります。

●受賞コメント

 私はベーチェット病ですが、いまは素晴らしいお薬があり、治療のおかげでこうして元気に漫画を描けているので感謝しています。病気のことについては、漫画に描いたので読んでいただけたら嬉しいです。

●受賞コメント

 8年前に、朝ベッドから立とうと思ったら突然の痛みがあり立てなくなりました。悲鳴を上げるほどの痛みの中、家族が迅速に動いてくれて病院に連れて行ってもらいました。その後、1年間の治療をしましたが痛みは取れず、薬を変えてもらったところ、どんどん体調が良くなってきたような気がします。自分でも一生懸命リハビリをし、今は周りの人から病気と気づかれないほど元気にしています。暇に飽かせて作ったつまらない作品ですが、今回お目に留めていただいき、天国へのおみやげが一つできました。ありがとうございます。

●受賞コメント

 現在は、関節リウマチの治療をしていますが、最初はリウマチの治療を拒否していました。それは、両親や家族が同じリウマチだったため、治療をしても同じだという気持ちが強かったためです。しかし、10年くらい経つと治療をしなくてはいけないくらいの強い痛みに襲われ、新たな治療を受けることになりました。その治療により症状が抑えられ、「昔の治療とやっぱり違うんだな、真剣に治療をしよう」と思うようになりました。同時に、何か自分にできること、趣味はないかなと思い、絵を描き始め、今回、応募いたしました。受賞したのはビギナーズラックというのでしょうか、「えっ、まさか」と思ったのですが、私の絵に共感してくださり、選んでくださった方がいらしたことに感謝します。この受賞を励みに、いろいろな作品を描いていきたいと思います。

●受賞コメント

 絵を描くことには、20年ほど前から取り組んでいます。抽象画です。ほとんどの人が抽象画はわかりません。僕の友達は「あんた文章はちょっと良かったなぁ」と言ってくれますが、絵のことは一切褒めてはくれませんでした。病気については、50歳で重症筋無力症になり、52歳で開胸しまして、その当時は腹腔鏡もなくて胸腺も取り除き、それからもう25年になります。何とか今まで元気にやっています。このたびは賞をいただき、ありがとうございました。

●仲田さんの応募エピソード

 ちぎり絵の「百景達成」を記念して、平成27年7月31日、私は、アッヴィ/エーザイ自己免疫疾患アートプロジェクトの表彰台に立っていました。お礼の言葉を述べながら感動の余り、なんとも言えない幸せにあふれ、目の前が霞んでしまいました。発病から15年、こんなに穏やかな雰囲気に包まれたときは、一度もありませんでした。安心できる環境が、どんなに大切かがよくわかりました。でも、前回のアートプロジェクトに応募しなければ、確固たる闘病の方針を決めることはできませんでした。何かを考えるには、自信と実力がなければ発揮できません。今はまだ、20景の完成が残っている課題を仕上げようと考えています。

 今回の応募作品は、見開き部分の金具のつけ方に苦労しながら、四季の生活を表現した10景を選び、アルバムに仕上げました、 「難病も 心は豊か 和紙日和」。

※表彰式欠席のため、受賞コメントに代わり、応募時の応募エピソードを記載しております。